
執筆者
R.T.
Excel方眼紙という皮肉

表題の様にIT業界では「Excel方眼紙」という言葉がネタのように扱われることがあります。
しかし、
実際にはExcelを使っていること自体が問題なのではなく、「本来別の方法で管理すべきものまでExcelに押し込んでいる」ことが、現場の非効率化につながっているケースが少なくありません。
この様な実態からも「Excel方眼紙」とは皮肉として使われており、この言い方は、たいてい次のような不平や不満が込められていたりします。
・表なのに構造化されていない
・修正しにくい
・再利用しにくい
・引き継ぎしにくい
・見た目優先で中身が扱いづらい
つまり、
Excelで作る必要が薄いのに、無理やり紙のレイアウトを再現しているという批判です。
そのため、
ITや業務改善の文脈では、非効率な資料作成の象徴として語られやすいです。
特にSESや受託開発の現場では、管理コストや既存文化の影響から、「とりあえずExcelで管理」が積み重なりやすい傾向があります。
新しいツールを導入するには教育コストや運用変更が必要になるため、忙しい現場ほど“今のやり方を維持する”方向へ流れやすいのです。
Excel至上主義による弊害発生
その結果、
設計書、進捗管理、課題管理、テスト管理など、さまざまな情報が複数のExcelファイルに分散され、「最新版が分からない」「修正漏れが起きる」「誰が更新したのか不明」といった問題が発生します。
さらに、
長年使われ続けたシートほど属人化しやすく、「このセルは触るな」「このマクロは壊れるから注意」といった独自ルールが増えていきます。
新しく参画した人が、まずExcel運用を覚えるところから始まる現場も珍しくありません。
未経験エンジニアの苦戦

現場特有のルール
特に未経験から入ったエンジニアは、技術以前に“現場ルール”で苦戦することがあります。
例えば、
・どのファイルが最新なのか分からない
・フォルダ構成が複雑すぎる
・命名規則が統一されていない
・引き継ぎが口頭ベース
こうした状態では、単純な作業でも確認工数が増え、ミスも起こりやすくなります。
本来なら学習や開発へ使うべき時間が、「情報探し」で消えてしまうのです。
情報共有のための労力とコスト
また、Excel中心の現場では、情報共有コストが高くなりやすい特徴もあります。
現在の開発現場では、Git、Jira、Backlog、Notionなど、履歴管理や共同編集を前提としたツールが普及しています。
しかしExcel主体の運用では、メール添付やローカル保存文化が残っていることも多く、「必要な情報を探すだけで時間がかかる」という状況が発生しがちです。
結果として、コミュニケーションの行き違いや認識ズレも増えていきます。
もちろん、Excel自体は優秀なツールですので、小規模な管理や一時的な整理では非常に便利ですし、完全になくなることは今後もないでしょう。
問題なのは、「Excelしか選択肢がない状態」です。
逆に言えば、現場改善のポイントもそこにあります。
例えば、
・共有管理をGitやクラウドツールへ移行する
・課題管理を専用ツールへ分離する
・マクロ依存を減らして運用を標準化する
・ドキュメントを検索しやすい形へ整理する
こうした改善を少しずつ進めるだけでも、現場負荷はかなり変わります。
Excel至上主義からの脱却
実際、
最近は「全部Excelで管理」から脱却しようとする企業も増えてきています。
特に若いエンジニアが多い現場ほど、情報共有や自動化への意識が高く、改善サイクルが回りやすい傾向があります。
未経験からIT業界へ入る人は、「どんな技術を使っているか」だけでなく、「どうやって情報管理しているか」も見ると、現場の成熟度が見えやすくなります。
管理が整理されている現場ほど教育もしやすく、コミュニケーションコストも低くなります。
逆に、
Excel運用の状態を見るだけでも、その現場が改善を続けられる組織なのか、惰性で回っている組織なのかが意外と見えてくるものです。













