
執筆者
R.K.
日本で昔からよく聞く言葉

元々の意味
歌手の三波春夫さんの考えから来ており、以下のような意味合いだそうです。
『歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払ってまっさらな、澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。ですからお客様は絶対者、神様なのです』
※引用:三波春夫さんオフィシャルサイト(https://www.minamiharuo.jp/profile/index2.html)
言葉の意味の変遷
今現在一般的に認識されている「お客様は神様」は、お客様は神様と同等に扱う、言い換えると丁寧に対応しましょうという意味が近しいでしょうか?
端的なフレーズの宿命
広まりやすい代わりに、どんどん意味や内容が変わっていく現象を如実に表した言葉だと思います。
日本の古文で使われている「うつくし」と似ていますね、あれは元々「かわいらしい(幼い者への愛情表現に使われていた言葉)」という意味であって、現代の「美しい」を意味するわけではないそうですね。
話が逸れてしまいました。
何が言いたいかと言いますと、私がこれから話す「お客様は神様だなぁ」と思ったエピソードは、三波春夫さんが元々考えていた意味とは違う意味で感じたことですよ~ということを言いたかったのです。
不具合の調査報告

それはいつのことだったでしょうか。
自分の受け持つシステムの不具合を調査して、報告した時のことです。
「それはいつからあった不具合でしたか?」とクライアントが質問されたのです。
ミスのあった箇所は結構古く、修正するにしても影響範囲がどこまで広がるのか全く見当がつかなかったので修正後の動作確認がかなり困難だったうえ、そのミスが発覚した時点ではクライアントの報告は無く、既存機能を確認してもなにがしかの問題に繋がるとは想定されなかった処理だったため、修正を保留していた箇所でした。
お客様の反応
それを報告したところ、「それは困る。せめて、どんな不具合があったのか教えて欲しかった」と至極まっとうなご指摘を受けました。
そして、「もし、バージョンアップが発生したら、その都度、不具合修正orアップデート改修の情報を整理&一覧化させてリリースノートのような形で共有してほしい」とご要望を受けました。
お客様の要望
その要望を受けた時の私はとても驚きました!
これまで担当していたクライアントはITに精通しており、こちらが何も言わなくてもGitのコミット履歴を見たり、いざとなればシステムを動かしているサーバーに入って自分でコードを読み、どこが不具合を起こしていたのか自力で調査できたりするくらいの実力がある方々ばかりだったので、リリースノートは作ったことはありませんでした!
・大慌てで対応開始
どんな項目があればクライアントが必要なことが全て網羅できるのか考えたり、どんなフォーマットにすれば読みやすく&今後もアップデートしやすくなるのか試行錯誤したり、それなりの時間をかけました。
・心の中で大騒ぎ
とっても大変だ―――!と心の中で大騒ぎしていました。今やっているこの作業は重要な作業なのか!?他にやらなきゃいけないタスクがあるのに!と自問自答する瞬間もありました。
謙虚に向き合い、真摯に対応

その日の夕方、退勤電車の中でXを開きました。すると、ヘブンバーンズレッド(※ソシャゲ)のアカウントが出てきて、そこにはアップデートに関するリリース告知がありました。
そこで私はハッとしました。「そうだ、不安だったんだ!」と。
クライアントの視点
クライアントから見たら、今使っているシステムに不具合が見つかったと報告を受け、しかもその不具合は昔からあったものっぽくて、ずっと放置されていたモノだった(※開発側としては放置していたのではなくてずっと頭の隅にはあったのですが、クライアントからしてみたら放置されていたことには変わりないですね…)。
しかも、自分が言うまでなにもしなかったってこと!?と思っているでしょう。
もし自分が同じ立場だったら不安ですし、システムを開発する人たちに不信感を感じるでしょう!
渾身の一作
大変なことをしてしまったと大反省しました。
改めてリリースノート(仮)を内容はもちろん、色を付けて見やすくし、全くシステムの詳細を知らない人からしてもどこで何が起きたのか分かるようにスクリーンショットを撮って貼り付けて…などクライアント立場・視点で作り直しました。
久々のアナログな作業にてこずり、何度も見直して分かりにくい文言や表現が無いか確認を繰り返しました。
ちょっと時間がかかりました。
出来上がった渾身の一作をドキドキしながらクライアントに見ていただきました。
お客様は神様
クライアントから、「ありがとうございます」と一言をいただけた瞬間、「お客様は神様だ」のフレーズを思い出しました。
「お客様に満足いただけることが最も大事。ソースコードを弄るだけが私の仕事ではない。
お客様という神様のように大事な存在のご満足の為に日々、どんなに泥臭い作業であっても目の前の業務に真摯に向き合うことこそが私の仕事そのものなのだ。」と思ったのです。
すごく大変な数日間でしたけど、その分大きな学びに繋がった案件でした。













